週間腸活部 第8回

ブラウティア菌ってどんな菌?

日本人の腸内で比較的多く見られるブラウティア菌。
ほかの腸内細菌に栄養を受け渡しながら、腸内環境を支える菌として注目されています。
今回は、ブラウティア菌と腸内細菌どうしの助け合いについてご紹介します。

ブラウティア菌とは?

ブラウティア菌は、私たちの大腸にすむ代表的な腸内細菌の一つです。 Blautiaというグループには複数の菌種が含まれ、菌種によって性質や働きは少しずつ異なります。

腸に届いた食物繊維やオリゴ糖などを利用して、酢酸(短鎖脂肪酸)やコハク酸などの代謝物をつくります。 それらの一部は、ほかの腸内細菌にも利用されます。

ちなみに、ブラウティア属は日本人の腸内で比較的多く見られる菌群なのだそうです。食文化、生活習慣、年齢、などが腸内細菌の違いに関係するのではないかと考えられています。もうひとつちなみにですが、海藻を代謝できるプレビウス菌も日本人に多いようですね。

今日のポイント:
ブラウティア菌は、酢酸(短鎖脂肪酸)やコハク酸などをつくり、またほかの腸内細菌のサポートもして、よい腸内環境づくりを支えています。

腸内細菌は助け合っています

ブラウティア菌がつくる酢酸やコハク酸などは、それらを別の腸内細菌が「ごはん」として利用することがあります。

例えば、フィーカリバクテリウムは酢酸を食べて酪酸をつくることが知られています。

バクテロイデスという菌たちは、コハク酸を食べてプロピオン酸(短鎖脂肪酸)をつくります。

腸の中では、一つの菌だけが働くのではなく、さまざまな菌が物質を受け渡しながら一つの生態系をつくっています。

食物繊維など、腸内細菌のごはん ブラウティア菌 酢酸・コハク酸など フィーカリバクテリウムなど、ほかの腸内細菌が利用 腸内細菌のネットワークを支える

このように、ある菌がつくった物質を別の菌が利用することを、 クロスフィーディングと呼びます。

健康との関係も研究されています

日本人を対象にした研究では、ブラウティア属、なかでもBlautia wexleraeが多い人ほど、 肥満や2型糖尿病が少ないという関連が報告されています。

さらに、Blautia wexleraeをマウスに与えた実験では、高脂肪食による体重増加や糖代謝の悪化が抑えられました。

どうやら、日本人にとっての「やせ菌」のようですね。

ブラウティア菌を育てるには?

β-グルカンという水溶性食物繊維を豊富に含む大麦が良いみたいですね。

大麦を配合した雑穀ごはんを4週間摂取したところ、腸内のブラウティア菌が増加した報告(日本人19人を対象にした研究)や、普段から大麦を多く摂取している人ではブラウティア菌の割合が高い腸内フローラを持っている人が多いことを示唆した報告(日本人94人を対象とした研究)があります。

大麦系だと、もち麦や押し麦があります。もち麦は白米に加えるとプチプチした食感が面白いです。押し麦を使ったスープも美味しいですよ。意外と献立に取り入れやすいです。

酪酸菌やビフィズス菌、そしてブラウティア菌、さまざまな腸内細菌のごはんになる食物繊維です。毎日の食事に意識してみてくださいね。 ただ、食物繊維を急に増やすと、おなかの張りやガスが気になることがあります。体調を見ながら少しずつ増やすなど気を付けてくださいね。

今日の腸活部クイズ

Q. ブラウティア菌は何を作るでしょう?

① おじさん
② 酢酸
③ 富士山
答え:② 酢酸
ブラウティア菌は、腸の中で酢酸を作る細菌です。 この酢酸は、腸の環境を整えるだけでなく、ほかの腸内細菌が利用することもあります。 このような菌どうしの栄養の受け渡しを、クロスフィーディングと呼びます。

今日の一冊

『人生を変える 腸内細菌』

監修:國澤 純
出版社:ナツメ社

日本人に多い腸内細菌の特徴から、短鎖脂肪酸、食事と腸内フローラの関係、毎日の腸活まで、 腸内細菌の研究を幅広く紹介した一冊です。

腸内細菌が互いに関わり合いながら働くことや、食事と腸内環境のつながりを、詳しく知りたい方におすすめです。

ブラウティア菌について解説したページもありますよ。

腸内細菌は、ひとりではなくチームで働いています。
ブラウティア菌は、その助け合いを支える大切なメンバーです。