週間腸活部 第6回

ビフィズス菌ってどんな菌?

ヨーグルトや整腸剤などで、名前を見かけることの多いビフィズス菌。
健康によい菌というイメージがありますが、実際にはどんな菌なのでしょうか。
今回は、よく知られている腸内細菌のひとつ、ビフィズス菌をご紹介します。

ビフィズス菌はどこにいるの?

ビフィズス菌は、主に私たちの大腸にすむ腸内細菌のひとつです。

特に乳児期には多く見られることが知られており、その後は年齢や食生活、生活習慣などによって割合が変化すると考えられています。

また、ビフィズス菌の量は人によって異なります。同じ家族でも違うことがあり、一人ひとり異なる腸内細菌の特徴のひとつになっています。

ちなみに、よく聞く乳酸菌とは別の菌なんです。覚えておいてくださいね。

どんなことに役立つと考えられているの?

ビフィズス菌は、オリゴ糖などを利用して、酢酸や乳酸などの物質を作ることが知られています。

こうした物質は、腸の中の環境づくりに関わっていると考えられています。ちなみに、ビフィズス菌が作った酢酸や乳酸は、ほかの腸内細菌の"ごはん"になることがあります。腸の中では細菌どうしが助け合いながら暮らしていることも分かってきています。

また、ビフィズス菌については、次のような健康との関わりが世界中で研究されています。

お通じや肌の状態、感染症の予防など気になるところですね。 ただし、これらの研究結果は、ビフィズス菌の種類(菌種・菌株)の違いや、一人ひとりの腸内環境によって異なることがあるようですね。 健康との関わりが期待される腸内細菌のひとつ、これからも新しい発見が増えていき、さらに詳しいことが明らかになることを期待しましょう。

今日のポイント:
ビフィズス菌は、おなかの環境づくりを支える腸内細菌のひとつです。さらに、ビフィズス菌が作った物質は、ほかの腸内細菌の活動にも役立つことが知られています。

ビフィズス菌にも「ごはん」があります

ビフィズス菌も、生きて活動するためには栄養が必要です。 その「ごはん」になる食品成分として、オリゴ糖や一部の食物繊維などが知られています。

オリゴ糖 玉ねぎ、ごぼう、アスパラガス、バナナなどの食品には、オリゴ糖が含まれるものがあります。 オリゴ糖は消化されにくいものもあり、大腸まで届いてビフィズス菌に利用されることがあります。 また、オリゴ糖の製品も販売されています。毎日の食生活に取り入れやすいものから始めるといいかもしれないですね。
食物繊維 食物繊維にはさまざまな種類があります。ビフィズス菌が利用できるものに、例えば、イヌリンなど一部の水溶性食物繊維があります。ゴボウや玉ねぎなどに多く含まれています。 ちなみに、食物繊維は、いろいろな腸内細菌に利用されることも知られていますし、からだへの良い作用も知られています。野菜、豆類、果物、穀類、海藻などを幅広く食べたいですね。さまざまな腸内細菌の「ごはん」を届けることにつながります。
ワンポイント:
「ビフィズス菌を含む食品を摂る」ことに加えて、腸の中にいるビフィズス菌が利用できる食品成分を届ける、という考え方も腸活では大切だと考えられています。

ビフィズス菌を取り入れたり、育てたりする方法もあります

ビフィズス菌については、食品や整腸剤から取り入れる方法と、 腸の中にいるビフィズス菌が活動しやすいように「ごはん」を届ける方法の両方があります。

ビフィズス菌入りのヨーグルト 市販されているヨーグルトの中には、ビフィズス菌を使用したタイプがあります。 乳酸菌のみで作られているタイプや、複数の菌を組み合わせたものなどがあります。 興味のある方は、パッケージの表示や使われている菌の名前を確認してみるとよいでしょう。
ビフィズス菌を含む整腸剤やサプリ 市販の整腸剤やサプリにも、ビフィズス菌を含むタイプがあります。 ビフィズス菌だけや、乳酸菌など複数の菌を組み合わせたもの、乳酸菌だけのものなどがあります。 あと整腸剤はOTC医薬品や医薬部外品があります。用法・用量など利用には注意して、よくわからないときには薬剤師に相談しましょうね。
ビフィズス菌の「ごはん」 野菜・果物などの食事やサプリなどでオリゴ糖や食物繊維を摂って、腸の中にいるビフィズス菌にごはんを届ける、つまり、菌を「摂る」だけでなく、腸の中で「育てる」という考え方も大切だと考えられています。
甘酒についても研究されています 酒粕や米麹を使った甘酒と腸内細菌との関係についても研究が行われています。 甘酒の摂取によってビフィズス菌の割合が増えたという研究報告があります。ほかにも便通改善やお肌のバリア機能に関する研究も報告されています。今後のさらなる研究に期待ですね。
ワンポイント:
ビフィズス菌を「取り入れる」方法と、腸の中にいるビフィズス菌を「育てる」方法。 どちらも腸活を考えるときのヒントになります。

ビフィズス菌だけでいいの?

ビフィズス菌は健康との関わりが期待されている腸内細菌のひとつですが、腸の中には数多くの腸内細菌が暮らしています。

それぞれの細菌が異なる働きを持ち、お互いに関わり合いながら腸内環境をつくっていると考えられています。

ひとつの菌だけに注目するのではなく、さまざまな腸内細菌が暮らす「腸の中の世界」全体にも目を向けていきたいですね。

今日の腸活部クイズ

Q. ビフィズス菌が利用するものとして知られているのは、どれでしょう?

① オリゴ糖
② 石
③ プラスチック
答え:① オリゴ糖
ビフィズス菌は、オリゴ糖などを利用して活動することが知られています。 ただし、利用できるものはビフィズス菌の種類によっても異なります。

もっと詳しく知りたい人へ

今回は、ビフィズス菌の働きの一部をかんたんに紹介しました。

実は、ビフィズス菌にはさまざまな種類があり、利用できる糖や作り出す物質にも違いがあります。 また、乳児期から成人にかけてビフィズス菌がどのように変化していくのかについても、多くの研究が進められています。

今後の「エキスパート編」では、論文も交えながら、ビフィズス菌の種類、ひとへの定着、からだとの関係、オリゴ糖や食物繊維との関係、他の菌との関係(クロスフィーディング)などを詳しく紹介する予定です。

今週のおすすめ本

『POWER MOOK 58   腸内環境を自力で整える方法』

辨野義己 監修 大洋図書

腸内細菌、食物繊維、うんち、腸活のヒントが、やさしく紹介されています。 ムック本で読みやすく、腸活を実践したい方におススメです。

『ムリしない腸活   おなかとうんちの付き合いかた』

長瀬みなみ 著 内藤裕二 監修 緑書房

毎日の生活に無理なく取り入れられる腸活のヒントが、やさしく紹介されています。 「腸活を始めてみたいけれど、何から始めればいいの?」という方にも読みやすい一冊です。

ビフィズス菌も、腸の中で暮らす多くの細菌のひとつ。
菌そのものだけでなく、その菌が何を食べ、どんな物質を作っているのかを知ると、腸活の見え方も少し変わってきます。